【不動産投資の失敗例①】期待した賃料が入ってこない!
不動産投資を考えている人に知っておいて頂きたいのが、投資する上で「すべきこと」と「絶対にしてはいけないこと」です。
不動産投資を成功させるうえで、投資家がやってしまいがちな失敗事例を紹介するので、不動産投資で成功するための知識としてぜひお役立てください。
【不動産投資の失敗例】「期待していた賃料が入ってこない…」
●事例:有名企業の役員Aさんは、長年勤めあげた企業を退職し、大きな退職金が入ってきました。
それなりの収入はあったものの、奥様が専業主婦だったこともあり、思ったほど老後の貯蓄がないと感じていました。
再就職をしつつも、何か定期的に入ってくる収入はないかと考えていた折、友人がアパート経営で成功しているという話を聞き、不動産投資に興味をひかれ始めました。
ちょうどその頃、不動産投資で有名な先生が、中古マンション不動産投資セミナーを行っていたので参加してみたのです。
有名な先生だけあって多くの方が来ており、
- 「銀行金利と比べてこんなに高い利回り!」
- 「手元資金ゼロでも大丈夫!」
- 「有利な融資でレバレッジ(テコの原理)がかけられ大きな収益!」
- 「ここだけの特別情報!」
という謳い文句に、心が動かされ、これは買わないと損ではないか?と思い始めました。
そんな甘い話があるのか?と考えもしましたが、セミナー時に見せられた堅実な収支予測を見る限り、大丈夫そうだと判断しました。しかも有名な先生が変な物件を紹介しないだろうという思いや、「待っているとすぐに売れてなくなってしまう」という言葉を聞き、物件の仮申し込みと詳細打合せを予約しました。
それからは契約→銀行融資→決済と順調に進み、夢の大家生活が始まることに、期待に胸を膨らませていました。最初の賃料が予定通り入金された時は、何年で融資を返して、次の物件をいつ買おうかと考えを巡らせていました。
ところが3ヵ月も経たないうちに、入居者から「水廻りが調子悪いので修繕してほしい」「鍵が固いので交換してほしい」「ガスがつかないので給湯器を交換してほしい」と次々にクレームが出てきて、出費が大きくかさんでいきました。
これも大家の義務だなと思いながらすべてを修繕して一息ついた矢先、入居者から「来月には退去したい」という連絡がきました。驚きつつも退去手続きを行った後、新しいテナントを募集するために近くの不動産会社に相談に行きました。
ところが、業者から「この賃料では誰も借りませんよ」ときつく指摘されたのです。
新しく提案された賃料は元の賃料よりも20%も低く、すぐに決まるかどうか分かりませんと言われてしまいました。
Aさんは驚き、セミナーを受けた先生のところへ慌てて向かいましたが、
「そう言うこともあります。契約時に収支などを納得したうえで購入されましたよね。」
と一蹴されてしまいました。
夢を見ていた副収入が期待できないことを知り、急いで売却することにしました。購入時より20%も低い価格しかつきませんでしたが、泣く泣くこの物件を手放すことになったのです。
●原因
なぜAさんは、夢を持って手に入れた不動産を手放すこととなったのでしょうか。
原因として、事前知識なしでセミナーを受講したことがあげられます。
有名な先生から紹介されたのは、実はこんな不動産でした。
- ・中古物件なのに新築レベルで表面利回りが低い
- ・想定賃料の設定が高い
- ・賃料を裏付ける相場の資料が不適切
- ・建物の価値低下を踏まえた収支ではなかった
Aさんは、セミナー講師や不動産会社に言われるがまま売買してしまったために、結果として不動産投資に失敗してしまいました。
●予防策
それでは、Aさんはどのタイミングで失敗を予防できたのでしょうか。
購入時・売却時の両方で、セカンドオピニオンとして他の不動産コンサルタントや宅地建物取引士などに相談していれば、想定賃料や売買価格のおかしさに気づくことができたかもしれません。
いくらか報酬を支払ってでも信頼できる担当者を見つけるか、知り合いの不動産会社や建築士に相談するだけでも違ってきます。
また、セミナーに行く前に簡単で良いので、不動産投資の用語や考え方を勉強しておきましょう。
無料セミナーなどは特に、投資について教えてくれるだけでなく、物件を売却するという目的のもと開催していることが多いです。不動産投資のメリットや、特定の物件の良さばかりを押してくるようなセミナーは、一旦持ち帰って考えてみたほうが良いでしょう。
■まとめ
不動産投資は、リスクもリターンも必ず自分のもとへ戻ってきます。最終的には自己責任で行うということを肝に銘じ、大切な相談や調査は信頼のおける人に依頼するという心構えが大切です。
大事な資産を守るためにも、頼れる相談相手を見つけ、よりよい投資ライフを送りましょう。
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