【不動産投資の失敗例②】 買った建物がシロアリだらけ?!
不動産投資を考えている人に知っておいて頂きたいのが、投資する上で「すべきこと」と「絶対にしてはいけないこと」です。
前回に引き続き、不動産投資でよくある失敗事例を紹介するので、不動産投資で成功するための知識としてぜひお役立てください。
【不動産投資の失敗例】買った建物がシロアリだらけ?!
●事例:不動産投資家Aさんは、複数の部屋があり収入が安定している一棟アパートで投資をしたいと考えていました。
不動産会社に相談したところ、都内N区にある築30年の一棟木造アパートを提案されました。部屋数が全6室と小ぶりなアパートでしたが、相続を受けたばかりで手元資金があり、収入もかなりあったので減価償却で節税も図れると聞き、購入することにしました。
築年数が少し気になったものの、満室稼働のため室内は見られず、外観を見るかぎり築綺麗だったのが決め手でした。
売買契約時に売主から取得できる物件状況報告書を確認しても、特に修繕すべきところや気になるところ、雨漏り・シロアリの被害などは知らないと記載されていました。
購入後も、利回りもある程度回り、安定した収入が得られ、良い買い物をしたと安心しておりました。
発見された建物の瑕疵
購入から1年後、どうしても現金が必要になったAさんは売却を決断しました。
新しい買主から、購入にあたって建物調査を入れたいとの要望があり、当時空いていた部屋から建物の地下を調査したところ、基礎部分の柱がシロアリに食べられていることが発覚しました。
補強しないと地震が起きた場合倒壊の可能性もあると言われてしまい、購入条件として、柱の補強などが必要になりました。
補修工事の業者に連絡したところ100万円単位の見積もりを渡され、なるべく早く現金化したかったAさんはすぐ修繕して売却しました。
補修費用がかかったうえに価格が下がってしまい、折角の賃料収入が全て消えてしまった上に、数百万円の損となってしまったのです。
前の売主のせいではないかと抗議したのですが、売主が個人の方だったため「建物の瑕疵(シロアリ被害)を知らなかったこと、瑕疵担保期間(売主が知らなくても問題があった場合に修繕してもらえる期間)を超えてしまっていた。」などの理由で、修繕費や損害賠償を請求できませんでした。
●原因
なぜAさんは、収益が安定していた一棟アパートで損をすることになってしまったのでしょうか。
原因として、以下の2点があげられます。
- 購入前に建物調査をしなかったこと
- 築年数が古い木造建築のリスクを考えていなかったこと
安定した利益や外観のみで購入を決めてしまったことが、大きな原因かと思われます。
●予防策
Aさんのような失敗を防ぐためには、何に気を付ければよいのでしょうか。
一棟物の建物、特に築年数の経過した木造の建物を購入するとき、購入前に建物調査を入れることを強くおすすめします。
2018年4月の法改正から、中古住宅の購入時にお客様が建物調査を行うか否かを、仲介業者で確認することが必要になりました。
木造物件を購入する際には、きちんと調査を依頼することが大切です。価格は業者や程度によってピンキリのため、物件価格や築年数などに応じて検討しましょう。
また、木造建築はシロアリだけでなく雨漏りなども起こりやすいといわれています。
中古の木造アパートは手ごろなうえに、減価償却メリットがあるので人気がありますが、上記に挙げたような不安要素もあります。
事前調査をしっかりと行い、購入後もこまめに手入れをしながら管理をすることが重要です。
中古の木造アパートは修繕費などを見込んで、区分所有マンションよりも高い利回りが必要となることを頭に入れておいてください。
■まとめ
不動産投資は、リスクもリターンも必ず自分のもとへ戻ってきます。最終的には自己責任で行うということを肝に銘じ、大切な相談や調査は信頼のおける人に依頼するという心構えが大切です。
大事な資産を守るためにも、頼れる相談相手を見つけ、よりよい投資ライフを送りましょう。
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